美奈子は大学の休み時間になると、いつも屋上に向かう。都会の雑踏を一望できるこの場所は、彼女にとって唯一の安らぎの場所だった。アイスコーヒーを手に、美奈子は今日も屋上で翔太を待っていた。
翔太は美奈子の幼馴染で、同じ大学に通っている。幼い頃から一緒に過ごしてきた二人は、大学生活でも自然と互いの存在を求め合う。屋上は、彼らが世間話をしたり、大学生活の愚痴をこぼすための特別な場所だった。
「今日も教授が厳しくてさ」と翔太が溜め息をつきながら話し始める。「もう少し簡単に考えてくれたらいいのに」
「本当にね」と美奈子も同意する。「課題も大変だし、みんな自分勝手に動くからまとまりがないし」
二人は大学生活の不満や悩みを共有し合いながら、次第に心を開いていく。翔太は、自分の専攻に対する不安や将来のことについて話すようになる。「本当にこの道でいいのか、時々わからなくなるんだ」
美奈子もまた、自分の進路に対する不安を吐露する。「私も同じ気持ち。周りの期待に応えるのがしんどい時がある。でも、翔太と話すと少し楽になる」
美奈子と翔太は、過去の思い出話にも花を咲かせる。幼い頃に一緒に遊んだ場所や、お互い乗り越えた困難な時期のことを語り合い、そのたびに笑顔がこぼれる。
ある日、翔太は美奈子に一枚のスケッチを見せる。それは彼が未来の自分たちを描いたもので、二人が夢を実現している姿が描かれていた。「僕たち、どんな困難があっても一緒に乗り越えていこう」
「美奈子、君の事が好きだ」
美奈子は涙ぐみながら頷く。「ありがとう、翔太。私も好き、ずっと一緒にいて下さい。」
「もちろんさ、美奈子。これからもずっと一緒だよ」
都会の空の下で、二人の気持ちと希望はますます輝きを増していく。美奈子と翔太は、これからもお互いの存在を支えに、夢に向かって進んでいくのだった。
