眩しい夏の日差しが降り注ぐ中、高校生の爽太は、幼馴染のマリと駅前のバス停に立っていた。
「お待たせ〜。」
いつもなら丸い眼鏡をかけ、制服姿のマリだが、今日は少し違っていた。コンタクトレンズを使い、黒のキャミソールに短めのスカートという軽やかな夏の装いで現れた。爽太は思わず目を見張った。普段見慣れているはずのマリが、今日は一段と輝いて見える。
「どうしたの、爽太?ぼーっとしてるよ?」マリが不思議そうに笑う。
「いや、なんでもないよ。行こう。」爽太は少し照れくさそうに微笑んで歩き出す。
今日は特別な日だ。マリのお母さんの誕生日が近づいており、二人はプレゼントを選びに出かけたのだ。
ショッピングモールに到着すると、二人は雑貨屋やアクセサリーショップを巡り、マリのお母さんに似合うものを探し始めた。あれこれと意見を交わしながら、二人の距離は自然と近づいていく。爽太は、マリが楽しそうに選ぶ姿を見ながら、自分の心が少しずつ高鳴っていくのを感じていた。
「これなんかどうかな?」マリがシルバーのネックレスを手に取り、爽太に見せる。爽太はそのデザインに目を奪われた。シンプルだが上品で、マリのお母さんにぴったりだと思った。
「いいんじゃない?きっと喜ぶよ。」爽太が答えると、マリは嬉しそうに微笑んだ。
二人はそのネックレスを購入し、モールを出た。外に出ると、まだ強い日差しが二人を包み込む。近くの公園で少し休憩することにした。ベンチに座り、アイスクリームを食べながら、子供たちが遊ぶ姿を眺めていた。
「今日は楽しかったね。」マリがつぶやく。
「うん。マリのお母さんもきっと喜ぶよ。」爽太も同意しながら、ふとマリの横顔に目を向ける。その瞬間、爽太は自分の気持ちに気づいてしまった。ずっと近くにいたはずの幼馴染が、今では特別な存在になっていることを。
「どうしたの、爽太?」マリが再び尋ねる。
「なんでもないよ。」爽太は少し照れくさそうに笑った。
花壇の花の匂いが二人を包み込み、爽やかな風が吹き抜ける。爽太は心の中で決意した。
この夏が終わる前に、マリに自分の気持ちを伝えよう…
マリは爽太の決心を知らずに太陽の様な笑顔で微笑んでいた。